こんにちは、てのり(@flytenori)です!
シナリオライター岡田麿里さんの自伝
「学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで」を読みました。
アニオタなら誰もが知っている有名人ですね。
本を手に取ったのは、岡田麿里さん初監督作品である映画「さよならの朝に約束の花をかざろう」を観てとても感動したからです。
アニメーションに関わる人の自伝なんてほぼないので、貴重な一冊です。
てことで、本の内容を少しだけ紹介します。
本当に「あの花」と「ここさけ」を書くまでが書いてある
そんなことわかっとるわいと思われると思いますが、本当にそうなんです。
基本的には、時系列に沿って岡田麿里さんの半生に触れる内容になっています。
前半は地元である秩父で暮らしたときのお話、後半はシナリオライターを志して東京で働くお話。最後は「あの花」制作秘話なんかも出てきます。
そのとき起こったことを丁寧に、しかし流れるように読みやすく書かれてます。あっという間に世界へ引き込まれてしまいます。
純粋に、こんなに先を読みたくなる文章を書けるなんて、すごい人だと思いました。
彼女は、引きこもりになってしまったり、いきあたりばったり仕事をしたり、波乱万丈の人生を歩みます。
私は今でも、離陸できるのが微妙だったり、出自が不明だったりする企画に「面白そう」と思って手を出してしまう癖がある。そして、実際にひどい目にあったりする。
「学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで」
世の中の著名人は最初から崇高な目標があって、そこに向かって努力していくというイメージがありました。
が、全員が全員、そうでもないんだなと思いました。
カッコ良すぎる仕事への信念
シナリオを認められた、というと語弊があるかもしれない。
単純に私は、シナリオを「最初から最後まで書く」ことができたのだ。
「学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで」
最も彼女のすごさを感じた言葉です。
ゼロから何かを生み出すのは莫大なエネルギーが必要です。
アイデアだったり経験だったり知識だったり、とにかくパワーを尽くして生み出すんだと思うんです 。
そして最後までやり抜くのは、もしかすると生み出すより大変です。
アイデアが良くても途中で脱線すれば矛盾が生じて終われない。
仕事を始めてから要所で痛感します。
最初から最後まで書くのは本当に大変な作業だと思います。
アニメのシナリオライターとなれば、執筆を毎クール(=3ヶ月に1度)やらなくてはいけないし、しかも面白くなきゃいけない。
人気ライターさんは同時並行のお仕事もたくさんあることでしょう。
それを「単純にシナリオを最初から最後まで書くことができた」と言い放つことができる。
今までの人生で築いてきた、「自分にはこれがある」という信念は本物だと感じました。ひとつのことに突き抜けられる人はカッコいいし、そんな生き方に憧れました。
いちばん共感した言葉
私がもっとも共感した言葉を引用します。
アニメというのは、当たり前だが、一つ一つのカットすべてに人の手が入っている。自然のままのものが一つもない。背景も、誰かが描かなければそこには存在しなかった世界。役者にしても、キャラクター、作画での演技、声。全てのスタッフが集まって、そこで初めて命を持つ。「ここ、意外とよかったね」という偶然の産物というのが、なかなか生まれ難い世界。だからこそ、すべてのスタッフが本気で作品に向かい合った瞬間の強度は、偶然を吹き飛ばすほどに凄まじい。本当にすごいジャンルだと思った。「学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで」
一枚たりとも適当は許されない。これがアニメのすごさです。
だから私はアニメ制作に関わる人を尊敬しています。
ただ、今まで「すべて人の手が入っている」のは作画だけだと思いこんでいました。
今回、岡田さんの自伝に触れることで、脚本にも凄まじい苦労があることを知ることができました。
そしてきっと、音響も、背景も、役者にも見えない苦労がある。
アニメ作品は、関わる人すべての努力の結晶なのだと思いました。
当たり前のことに今更気付けて、もっとアニメが好きになりました。
私はアニメを作る能力は残念ながらありませんが、せめて応援してずっとアニメファンであり続けたいです。
さいごに
電車通勤の時間を読書にあてていたのですが、読み終わる前に電車が目的地に着いてしまうのが残念に感じるくらいでした。
読む手が止まらないとはまさにこのこと。
さすがシナリオライターだと思いました。感服。
興味が湧いた方は、是非読んでみてください!
これからの活躍にも期待してます!
それではまた〜