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PSYCHO-PASS 3 FIRST INSPECTOR |感想と考察

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テノリです

 

いまさらですがPSYCHO-PASSの劇場版最新作『PSYCHO-PASS 3 FIRST INSPECTOR』の感想を書きます。もう1ヶ月も前なんですねぇ〜

 

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この映画は3月27日(金)から2週間限定公開でしたが、3月28日・29日はほとんどの映画館が急遽休館することになっていたので、3月27日の仕事を休んで(爆)慌てて観に行きました。あのときの行動の素早さに自分で拍手を送りたい。

  

PSYCHO-PASSシリーズは考えることが多い作品なので、考えを整理してから観に行きました。本作品『PSYCHO-PASS 3 FIRST INSPECTOR』で私が知りたかった点は以下でした。

 

・六合塚(くにづか)さんの安否

・梓澤はなぜ色相が濁らないのか

・慎導灼(しんどう あらた)とイグナトフの復讐劇の結末

・ビフロストとコングレスマンの存在意義

・常守朱(つねもり あかね)が「人殺しの監視官」と呼ばれる理由

 

3期は六合塚さんがやられたところで終わるという映画を観に行かざるを得ない終わり方だったので始まる前いちばん気になってました。笑 

 

※ここからは映画のネタバレを含みます。ご了承の上ご覧ください。

 

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シナリオを追いながらの感想 

開始3分で六合塚さんの安否判明

「これは絶対助からない」という事故の見た目であったにも関わらず六合塚さんは生きてました。都合良すぎない?なんで?とは思いました。まさかちゃんと理由があるとはねぇ・・・このときは露知らず。

梓澤(あずさわ)は公安局に出入りするためのパスを六合塚さんから盗みます。なんつー奴。侵入したきゃハッキングすればいいのに!と思ったらお抱えハッカーが拘束されてるんでした。ちゃんと助けに行こうとするなんて意外と人間味のある人物だなと思いました。でもやり方過激すぎる。人を傷付けていいワケない。(私は梓澤が嫌いです)

 

公安局内でのハッキング

これで引き下がるわけもなく、梓澤のお抱えハッカーおばたちゃんは公安局内にハッキングを仕掛けます。ハッキングにはハエの姿をした小型ドローンが使われ、システムが次々乗っ取られていきます。外にいた警官は入れなくなり、二係はムキムキの人型ロボットや脱獄囚にどんどんやられます。ハッキングで普通のドアも開けられない事態。圧倒的不利。電子機器に頼り切るのはいかがなものかというメッセージと受け取りました。

 

何が起こっているかすら把握できない中、霜月課長はハッキングの解除とドミネーターの回収を考えます。ほとんどのドミネーターは破壊されていたものの、対複数型のドミネーター試作機が出てきてめっちゃ興奮しました。めっちゃデカくてカッコいいのに連射できないポンコツ。笑

 

ハッカーおばたちゃんとの戦い、志恩さんの活躍ほんと素晴らしかったですね!!!廃品回収の部品から作ったダンゴムシでハッキング取り返しちゃうのマジでかっこよすぎ。そしてハエとダンゴムシの対決は最も力入れて作画されたシーンだと断言できる。この作品で一番カッコ良かったのはダンゴムシ。異論は認めない。

敵に最初から志恩さん狙われていたら、逆転の手がなく終了のお知らせだったなと。雛河も頑張ってるけどやっぱ志恩さんがいちばんです。死亡フラグのお決まりセリフはマジでいらないから助かってお願い〜〜〜〜〜って画面に向かって手を合わせて懇願。大好きなキャラクターなので活躍の場があってほんとうに嬉しかったです。

 

ちなみに公安局のハッキング中、主人公のはずの灼くんは梓澤に拘束され、ある居室に放置されます。灼は小宮カリナ知事からもらった香水瓶を割ってにおい成分を揮発させ、志恩さんのダンゴムシが成分分析を行うことで居場所が判明します。香水の匂いで志恩さんなら絶対たどり着いてくれるって思う灼くんもすごいけど本当に突き止めちゃう志恩さんの手腕よ。惚れる。

 

イグナトフの行動

さてもう一人の主人公であるイグナトフ監視官ですが、ハッキングの時は非番でした。梓澤は灼の能力メンタルトレースのことは熟知していたので、能力を使わせないために灼とイグナトフが揃わない時間を狙ったことは明白です。

13thインスペクターでもあるイグナトフは、コングレスマンのおじいちゃん代銀遙熙(しろがね はるき)を探しに出かけ、外務省に後をつけられます。「何をしていたんだ」と問い詰められるもピースブレイカーの襲撃があり話がうやむやに。そして公安局ハッキング事件を受け外務省のヘリで現場に急行します。イグナトフはすぐ自分の立場を危うくしがちなので見ていてハラハラしますね。しかも短気だし。ここでインスペクターであることがバレたらどうなっていたんだろうか。(というかバレたっけ?ちょっとうろ覚えです)

 

公安局メンバーが合流し、ようやく「梓澤逮捕」へ向かうことができるようになります。そしてこのあたりで作画が崩壊します。悲しい。劇場版よこれ。

 

梓澤の要求

さて公安局へのハッキングを行い自らも公安局内に侵入、リモートとはいえ現場で霜月課長と交渉を行うという今までにないリスクを冒す梓澤ですが、その要求は「小宮カリナの辞任」でした。

小宮カリナはPSYCHO-PASS世界の現都知事であり、代理人格AI「マカリナ」を所有する人物です。公務で公安局に来ていた時間をわざわざ狙うということは、今までのように施設トラブルなどに見せかけて手を下すんだろうなと感じ取れました。実際、細工したエレベーターに乗せようとしたシーンありましたしね。

 

しかし梓澤自身には、「小宮カリナの辞任」などより大切な真の目的がありました。それは「シビュラになること」でした。(「オレがガンダムだ」がよぎった同志はいるだろうか)

彼は心底シビュラに入れ込んでおり、神とするほどでした。さらにシビュラの正体を予測し、自分も一部になれると考えていました。しかし、梓澤はシビュラ本体に辿り着いたものの、免罪体質者*1ではなかったためシビュラに拒否されます。自分が平凡であることを受け入れられず、梓澤は灼にドミネーター(=シビュラ)での執行を要求し、シビュラもドミネーターを強制的にエリミネーターに変え、執行を要求します。しかし灼の目的はあくまで逮捕。「ドミネーターのいいところは、引き金がついていることだ。最後の審判は人間に任されているんだ」と言い放ち、執行ではなく逮捕に成功するのでした。

 

ビフロストの存在理由

なぜ梓澤は「小宮カリナの辞任」という、一見すると自分の利益には関係ないような要求をしたのでしょうか?

 

そこで出てくるのがビフロストの存在です。ビフロストに所属しているコングレスマンのおじいちゃん・代銀が小宮カリナとマカリナを欲していたのです。理由は、シビュラシステムがマカリナをひとりの”人間”として認めたからでした。なぜそれが小宮カリナとマカリナを欲する理由になるのかは、ビフロストの存在意義に触れることで理解できます。ビフロストはもともとシビュラのデバッグ処理を担当する機関でした。しかしシビュラの成長にともないビフロストの役割が終わりに近づくと、ビフロストはシビュラの綻びを利用して富を築く機関に変化します。シビュラが代理人格AI(マカリナ)に人間の称号を与えるということは、「人権を持つ非人間」が生まれたことを指し、新たなシビュラの綻びとなりえます。ビフロストは、マカリナの存在が新たに富を生む手段になると目をつけたのです。ただしマカリナ単体が本当に”人間”と認識されているかについては、ひとつ条件が満たされていませんでした。マカリナの本体である小宮カリナが生きているからです。本体が存在するためにシビュラがAIであるマカリナを”人間”として認めている可能性があります。本体である小宮カリナが死んでもシビュラがマカリナを人間として認めるのか──これが「マカリナがシビュラの綻びになる」ための条件でした。以上のことから、小宮カリナを排除することでマカリナの有用性を確かめようとしていたと考えられます。また梓澤への依頼が「小宮カリナを辞任させる」だったのは、梓澤の犯罪手口の特殊性からです。

 

さて上記のようなあくどいこと遂行しようとしていましたが、もうひとりのコングレスマン・法斑静火(ほむら しずか)の機転により、マカリナのブラックボックスを利用することで小宮カリナを救うことに成功し、代銀の思惑は打ち砕かれます。マカリナの能力を使って見事に梓澤を出し抜きました。ブラックボックス入手依頼のやりとりちょっと面白かったですね。

 

法斑「マカリナのブラックボックスを手に入れろ」

イグナトフ「なぜ?」

法斑「知る必要はない」

イグナトフ「この状況でどうやって?」

法斑「それを考えるのが君の仕事だ」

 

上司にこんな風に言われたらめっちゃ怒っちゃう・・・でもちゃんと役割を果たすイグナトフ監視官はやっぱり有能だなと思わせるシーンでした。短気だけど。

 

梓澤の手口

犯罪を繰り返しているはずの梓澤の色相はなぜ濁らないのか?が3期の大きな謎でした。彼は「二者択一の選択」を他人に委ねることによって、色相を濁らせずにインスペクターとしての役割を果たしていました。絶体絶命の状況にせず助かる道も用意する、という手口で自分を守っていたのです。ただ梓澤の二者択一の選択は、ときには色相か/命かを強いる残酷なものでした。人の良心や罪悪感につけ込むことで人を苦しめて操る梓澤マジ畜生です。こういう自分の手を汚さないし自分は悪くないと思っている無自覚で無責任な人間がいちばん嫌いです!!!!!!!梓澤ァァァ!!!!!

なぜおばたちゃんが梓澤についていたのか不思議です。

 

法斑静火の目的

代銀が消え、ただひとりのコングレスマンとなった法斑は、新しいコングレスマンにシビュラを指名します。言ってる意味がわからなくて、ななななななんで!?と困惑しかしませんでした。コングレスマンにシビュラが加わったことで、ビフロストは消滅します(なぜシビュラをコングレスマンにするとビフロストが消滅することになるのかは、よくわからなかったです。シビュラのデバッグシステム本体がシビュラに取り込まれて存在意義がなくなるから??)。

法斑の3期登場シーンでは、法斑の養父が元コングレスマンであり、代銀によって処刑されたため復讐としてコングレスマンになった・・・ような雰囲気のことを説明されていました。しかし本当の目的はビフロストの消滅でした。そして最終的なゴールは、ビフロストを滅ぼした手柄(?)としての「常守朱の解放」でした。なぜここで常守が出てくるのかマジでわからなくて混乱しました。あれですか、恋人とかですか???いやいや朱ちゃんには狡噛がいるから云々・・・とか考えてました。もう映画かなり終盤なのに謎を増やしてくるというアツい展開でした。

 

そして死んだことになった局長(シビュラの端末)の代わりに法斑が新しく公安局の局長に就任し、常守も公安局に復帰します。そこで灼とイグナトフに告げられたのは、「あの事件」の真実を伝える、という常守朱の言葉でした。

 

 

・・・

 

 

ここで終わりでした。

えっ!?!?!?!?4期!?!?!?!?!?

 

 

ところどころ抜けてしまいましたがシナリオと感想としては以上です〜〜〜

 

外務省(狡噛、宜野座、須郷、フレデリカ)の絡んだシーンについては全然書けませんでしたが大活躍でしたよ!!!!(こなみ)

 

印象に残ったシーン

さてシナリオと感想をたくさん書いてきましたが印象に残ったシーンをふたつ紹介したいと思います。

 

ひとつは「命綱をつけないダイバーになるな」と父・慎導篤志が灼に諭すシーン。

灼の能力メンタルトレースは事件のあった場所に立ち他人の精神と同調することで、事件当時の状況や心情などを知ることができる便利なものです。精神世界にダイブして行うため、同調が長かったり深すぎると現実に戻ってこれない危険性があります。そこで誰かに精神の手綱(ザイル)を握ってもらい、引き上げてもらうことが必要です。そのパートナーこそイグナトフであり、二人が切っても切れない関係にあるのはこのためです。

この「命綱をつけないダイバーになるな」というセリフはメンタルトレースに関する技術的な話のように聞こえますが、実は現実に生きる私たちへのメッセージでもあると思いました。悪い出来事について深く考えすぎず、のめり込みすぎないようにすること。やりすぎると戻ってこれないこと。信頼できる人を作ること。信頼できる人に支えてもらうからこそできることがあること。そんな生きるためのアドバイスでもあったのではないかなと感じました。

 

もうひとつは、志恩さんが潜在犯ではなくなるシーン。

「犯罪係数がね、改善しているのよ」「外の世界のことなんてほとんど考えてなかったけど、この解析が終われば私、変われると思う」など死亡フラグ立てまくりでしたが、事件後に色相が回復し社会復帰した姿を描いてくれてとても感動しました。本当に変われたんだなと。今まではどことなく諦めの姿勢が色濃かった志恩さんですが、最後のシーンはちょっと前向きになっていた気がします。よかったなあと思う反面、公安局から去ってしまうのはとても寂しく感じました。志恩さん・・・公安局のこと忘れないでね・・・。

あと六合塚さんと一緒に住むんですかね。ふたりの住む部屋のフィギュアになりたい。

 

今後の展開について

思いっきり4期フラグを立てて映画は終了しました。

 

知りたかった点で解決されなかった

 

・灼とイグナトフの復讐劇の結末

・常守朱が「人殺しの監視官」と呼ばれる理由

 

については次の展開で答えを知ることができると期待します。

灼の父・慎導篤志(元インスペクター)とイグナトフの兄・アキラ・ヴァシリ・イグナトフがビフロスト絡みで事件に巻き込まれたことは明白で、さらに法斑の養父・法斑却一郎はコングレスマンであったとされています。ここに監視官(であったはず)の常守朱がどう絡んでいるのか・・・。梓澤は過去に「公安局にも狐はいる」と言っており、狐は如月執行官だった描写がありましたが、実は常守朱がインスペクターだったとか。正義感が強いのでシビュラのデバッグシステムに常守が従うとは考えにくいですが・・・。

また慎導篤志やアキラ・ヴァシリ・イグナトフがどんな事件を追っていたのかについてもわかっていません。彼らが追っていた事件に常守も関わることになり、常守がインスペクターに捕らえられたけれども、シビュラの謎を知っているためシビュラの綻びになりえる(ビフロストに有益な)人間になる可能性があるため軟禁されていたとか・・・。常守自身は「裁定を待つ身だ」という発言をしており、裁定というのはやはり「人殺しの監視官」と呼ばれる所以となった事件のはずで、その事件に慎導篤志やアキラ・ヴァシリ・イグナトフが関係しているのかついても今後語られるはずです。「慎導篤志とアキラ・ヴァシリ・イグナトフが関わった事件」と「常守が人殺しの監視官になった事件」は同じ事件の気がしますよね、梓澤ではなく常守から事件を語るという終わりのシーンをみても。

あとはなぜ法斑が常守を解放を要求したかも謎です。父のミスで常守が軟禁されていたなら責任を取る意味で息子である法斑静火が頑張るのもある程度わかりますが、でも父のミスを取り返すために負けたら焼かれるシートに腰掛けますかね?うーんやっぱりちょっと理由が弱い気がします。

続きが観られるかどうかがBlu-rayの売り上げにかかっているとすれば、もう買うしかあるまい。

 

 

 

あと最後の謎は「なぜ炎にまつわる名前がついているのか?」ですね。慎導・ミハイル・イグナトフ、法斑(ほむらは「焔」と書く)。これはさすがに監督の趣味・・・か・・・

 

 

というわけで今回はいじょー!

*1:犯罪係数が測定できない(ゼロになる)人間のこと